生活期リハビリは介護保険へ完全移行
生活期リハビリは介護保険の領域へ
2019年3月末をもって、生活期(維持期)の疾患別リハビリに対する医療保険からの給付が終了しました。そのため今後は生活期リハビリについては介護保険の領域となってきます。これは3月6日に開かれた中央社会保険医療協議会によって了承されており、2006年より目指していた要介護者への生活期リハビリの医療保険から介護保険への移行が完了したことになります。ちなみに、2000年に介護保険が創設された際にも生活期リハビリは保険給付の対象となっています。それが2006年の改定によって「医師が医療保険のリハビリが必要と判断した場合を除き医療保険給付から介護保険給付へ移行する」という明確な方針が定められ、より移行の流れが強まりました。しかしその段階では事業所の数が不足しており十分にリハビリを提供できるだけの環境が整っておらず、経過措置として「介護保険給付への移行を目指しながら次期診療報酬改定まで医療保険からの給付も継続する」としていました。それが今回ようやく目途が立ったということで完全移行と相成りました。
また、移行は完了しましたが、要介護認定を受けた高齢者にとっていきなり今までとは違う施設でリハビリを受けることになるのは大きな負担です。こういった点に十分に配慮しなければならないとして、今まで医療機関でリハビリを受けていた高齢者が介護保険による生活期リハビリを受ける際には、移行期間として一部の医療保険によるリハビリを一定期間併用可能とする仕組みも作られました。
移行にあたっての注意点
医療機関から介護事業所に移って通所リハビリを受ける際に、ケアプランでは「介護事業所での通所介護」と位置付けられていないと介護保険給付を受けられません。それだけではなく、一部併用の医療保険給付も受けられなくなります。また、同じ医療機関内で医療保険のリハビリから介護保険のリハビリへ移行する際には、その医療機関がみなし介護事業所として認められていなければなりません。もしこの認定が手続きの遅れなどでされていない状態だと、患者は介護保険・医療保険どちらのリハビリも受けることができません。
このようなことがないよう、厚生労働省ではリハビリを受けるために必要な様々な手続きについて一定の配慮を行うとしています。また、要介護等の高齢者における生活期の疾患別リハビリに関する経過措置は3月末をもって終了するとしており、ケアプランの作成が遅れた際には介護保険側で一定の配慮を行うとしています。