モチベーションの維持が大切
リハビリには強い意志が必要
高齢者は若い人と比べて治癒力が落ちており、回復には時間がかかります。そのため、モチベーションをどのように維持していくかがカギとなるのです。特に自宅でリハビリをする場合、高齢者本人の強い意志が必要となります。意識の高さがそのまま生活の自立度につながると言ってもいいでしょう。常に理学療法士が横にいて指導をしてくれるわけではないので、目標を定めてそれに向かって訓練をしていく体制を整える必要があります。
モチベーション維持のコツ
老人ホームに入居して指導を受けている高齢者であってもモチベーションが低下することはあります。その場合、最初はやる気があったのに途中からモチベーションが下がってしまうケースが多いです。これは、レジリエンスの低下によるところが大きいです、レジリエンスとは、失敗したり上手くいかなかった際に立ち直る力を指しますが、モチベーションを維持するためにはこのレジリエンスを高い状態にしておく必要があるのです。
レジリエンスを向上させるには、ネガティブな部分ではなくポジティブな要素を積極的に探す思考が重要となります。目の前のことが上手くいかなくとも、なにか少しでもできた点や気付いた点があればそれは進歩です。また、自分の感情を整理するためのラベリングも大切です。上手くいかなくて気分が上がらないときに自分の感情に対して「これは悲しみの感情だ」とあえて名前を付けることで冷静に今の状態を分析できます。その後は、気晴らしをして感情の落ち込みの解消に取り組みましょう。身体を動かしたり好きな音楽を聴いたりと、効果的な方法は人によって異なりますので、その人に合った方法で気晴らしをすることが大切です。
その他の方法
その他の方法として有効なのが、近い目標を持った仲間とともに運動をすることです。ある研究機関の調査によると、同じ目標を持った仲間と運動に取り組むとその運動は継続しやすいという結果が出ています。これに加えて、自分と似た環境であるとさらに効果的です。また、それを支える家族の協力や応援があると、よりリハビリの効果は高まっていくでしょう。
決して強制してはいけない
リハビリを行うのはあくまで高齢者本人です。そのため、リハビリを拒否している状態の高齢者に無理やりリハビリをすすめることはしないでください。そうするとより一層リハビリへの拒否反応が出てしまい逆効果です。そのような状態になったらまずはリハビリをしたくないという相手の気持ちを受け止めましょう。今の状況に一番苦しんでいるのはご本人です。気持ちを受け止めたうえで、どうすれば前向きに取り組めるかを考えていきましょう。